妄想映画プロダクション

妄想した映画を書いていこうと思っています。

21世紀SF映画ベスト1「トゥモローワールド」について

何らかの映画が公開されるたびに、

何かしらの雑誌でその映画にちなんだランキングが発表されている気がする。

記事にしやすく、拡散性があるので常態化してきたのであろう。

 

今回のランキングもいつものように流し見するつもりではあったが、

1位の映画が「トゥモローワールド」であったことに反応してしまった。

 

21世紀における至高のSF映画ベスト20 | GQ JAPAN

1位「トゥモロー・ワールド」(2006・英米)
2位「インセプション」(2010・米)
3位「Under the Skin」(2013・英米)
4位「ウォーリー」(2008・米)
5位「ゼロ・グラビティ」(2013・米)
6位「第9地区」(2009・米)
7位「セレニティー」(2005・米)
8位「LOOPER/ルーパー」(2012・米)
9位「her/世界でひとつの彼女」(2013・米)
10位「ザ・ホスト」(2013・米)
11位「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」(2013・英)
12位「月に囚われた男」(2009・英)
13位「マイノリティ・リポート」(2002・米)
14位「プライマー」(2004・米)
15位「クローバーフィールド」(2008・米)
16位「アタック・ザ・ブロック」(2011・英)
17位「サラマンダー」(2002・米英)
18位「モンスターズ/地球外生命体」(2010・米)
19位「ドニー・ダーコ」(2001・米)

20位「サンシャイン 2057」(2007・英)

 

もちろんこのランキングは絶対なものではないので、

指摘したいことは多々ある。

あれがない、これがない、という類いの意見である。

 

しかし、個人的に重要なのは「トゥモローワールド」が1位ということだ。

実は私が2000年代以降最も観返している映画がこの「トゥモローワールド」なのだ。

 

昨年の「ゼログラビティ」は非常に話題になり興行的にも成功し、

アカデミー賞も技術賞を中心に席巻し、大成功をおさめた。

だが、その監督の前作「トゥモローワールド」は興行的に成功したとは言い難い。

一部の映画ファンの間で長回しが話題になったりはしたが、

キャストの地味さ、全体的なトーンの暗さが、災いしたのか当たらなかった。

「トゥモローワールド」という邦題自体ぱっとしない。

原題の「The Children of men(人類の子供たち)」の方が内容に則してはいるが、

これもキャッチーさに欠ける。

 

しかし、この映画とんでもない映画なのである。

 

「ゼログラビティ」冒頭の長回しは記憶に新しいが、あそこまで完璧に作り込まれた世界での長回しを見せつけられると、あの映画の長回しはどうやって撮影したのだろう?っていう疑問よりか、どのようにCGIVFXで作り込まれたのだろう?

という印象を持った方の方が多いはずだ。実際、撮影自体もメイキングを観てみると見たことない撮影方法で撮影されていた。CGIで全ての構成要素をアニメーション化し、完璧に作り込んだ上で、そこに役者の表情をはめ込んでいくような撮影方法である。

一方、「トゥモローワールド」の冒頭の長回しは、どのように撮影したのだろう?本当に長回しで撮影したのか?途中でつないでいるのか?何回もリハーサルを重ねて撮影したのか?など通常の一般的な撮影方法に近く、地に足ついた撮影をしている分、多くの見解に別れ、公開時は盛んに議論された。

その長回しが終わった瞬間にタイトルが出るのだが、ただならぬ世界であることがそのタイトルが出るまでの冒頭だけで十分すぎるほどに説明されるのだ。既に誰かに指摘されているかもしれないが、タイトルが出る直前、カメラは爆破テロによって腕がもげ、その腕を反対側の手で持っている女性を映し出す。これは黒澤明監督の「用心棒」の冒頭、三船敏郎演じる浪人三十郎が宿場町についた時、人間の腕を加えた犬が現れ、ただならぬ世界であることを暗示する演出のオマージュだと思っている。

children of men opening - YouTube

 

f:id:moso-cinema:20140519034319j:plain

(「トゥモローワールド冒頭爆破テロシーン」)

 

f:id:moso-cinema:20140519033211j:plain

(「用心棒」冒頭、宿場町にたどり着いたシーン)

 

「トゥモローワールド」では、特筆すべき長回しが3回ある。

冒頭、襲撃、ラストである。

ネタバレにもなるので詳しくは言えないが、残りの長回しもとてつもなく技巧的なのだが、本当にその場に居合わせて、たまたまずっとカメラを回しているようにしか見えない。これはとにかく一度鑑賞して確かめていただきたい。

 

多くの方は「ゼログラビティ」でアルフォンソ・キュアロン監督の存在を知ったと思うのだが、実はこの監督「ハリーポッター アズカバンの囚人」の監督でもある。

見た方は分かると思うが、この映画でもあっと驚く長回しは使われている。

個人的にはハリーポッター映画の中では最も好きな作品である。

ハリーポッター映画について語ると長くなるので、また別の機会に。

 

キュアロン監督は、長編デビュー作から3作目の「リトルプリンセス」まで顕著に緑色を基調としており、早くからビジュアルにこだわりのある芸術性の高い監督として注目されている。そのタッチは北野ブルーのようにキュアロングリーンとも言われている。もちろんアルフォンソ・キュアロンだけでなく撮影監督エマニュエル・ルベツキの貢献度も多い。デビュー2作目にしてディケンズ原作「大いなる遺産」では、デニーロ、イーサン・ホークグウィネス・パルトロウとも早くから仕事をしている。その3作ともすべて完成度が高いのだが、何と言っても世界的な評価を高めたのは2001年の「天国の口、終わりの楽園」であろう。ほろ苦い青春映画の大傑作で、メキシコ国内でも興行的にも大成功をおさめる。ヴェネチア映画祭でも脚本賞、新人俳優賞を受賞しており、その評価は世界的に知られることとなる。その成功があり、ハリーポッターシリーズへの起用に繋がる。その後、5年の歳月を経て「トゥモローワールド」を発表する。興行的には振るわなかったが、批評的な評価も更に高まり、その7年後、「ゼログラビティ」を発表する。「ゼログラビティ」は完成度が高く、世界的に文句なしに歴史的大傑作の称号を獲たので、昔から好きだった身としては、はるか遠くの存在になってしまったように感じる。しかし、「ゼログラビティ」でラスト、画面いっぱいのキュアロングリーンを観た瞬間やっぱり、俺が好きなキュアロンだった!と感じさせるのがずるい。

 

フィルモグラフィもあまり多くないので、

ぜひ他の過去作品もオススメしたい。

 

アルフォンソ・キュアロン監督作品■

=========================================

最も危険な愛し方 (1991) 監督・脚本・製作

リトル・プリンセス (1995) 監督

大いなる遺産 (1998) 監督

天国の口、終りの楽園。 (2001) 監督・脚本・製作

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) 監督

トゥモロー・ワールド  (2006) 監督・脚本・編集

パリ、ジュテーム (2006) オムニバス映画、監督・脚本

ゼロ・グラビティ Gravity (2013) 監督・脚本・製作・編集

=========================================

 

※余談

21世紀における至高のSF映画ベスト20 | GQ JAPAN

冒頭のベスト20で不満に思うのは、

8位「LOOPER/ルーパー」(2012・米)
11位「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」(2013・英)
16位「アタック・ザ・ブロック」(2011・英)

がランクインするのはどうかなと思う。

ルーパー」を入れるなら同じ大友オマージュ映画の「クロニクル」を入れるべきだと思うし、「ワールドエンド」はコメディ映画としては笑ったがSF映画として傑作とは思わない。それを入れるなら「ギャラクシークエスト」を入れる。「エターナルサンシャイン」「宇宙戦争」「オブリビオン」もいれたいところ…と考えながら、「ミスト」「グエムル」はSFじゃないのかな…とSF映画の定義を考えるのが面倒になってきたのでこの辺で。

 

妄想映画その5『Wait a moment!!』

 

f:id:moso-cinema:20140516073553j:plainf:id:moso-cinema:20140516073606j:plainf:id:moso-cinema:20140516074906j:plain

f:id:moso-cinema:20140516073615j:plainf:id:moso-cinema:20140516073639j:plain

 

メディア 映画
上映時間 96分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開
初公開年月

20??/?/10

ジャンル ドラマ/ラブストーリー
  PG12
 

 

 

監督:ソフィア・コッポラ

脚本:ソフィア・コッポラ

撮影:ランス・アコード

編集:サラ・フラック

音楽:フェニックス

出演:リリー・コリンズ

   レア・セドゥ

        ゲイリー・オールドマン

   エレン・ペイジ 

   メルヴィル・プポー

 

 

『SOMEWHERE』でヴェネチア映画祭最高賞を受賞したソフィア・コッポラ監督の新作。1人のウェイトレスが勤務中に出会う様々な人達との交流を描くサクセスストーリー。ウェイトレスのエマ(リリー・コリンズ)がいつものように勤務をしていると、カップルが言い争いをしていた。しばらくし彼氏が店を出て行った後、女性(レア・セドゥ)は煙草を吹かせ終わると、ウェイトレスを呼んだ。ウェイトレスは、その後もいつものように色んな人に話しかけられるのだが…。

妄想映画その4『ロード・オブ・ドゥランゴ』

f:id:moso-cinema:20140516060920j:plainf:id:moso-cinema:20140516062158j:plain

f:id:moso-cinema:20140516061456j:plainf:id:moso-cinema:20140516060426j:plain

 

メディア 映画
上映時間 107分
製作国 アメリカ/日本/メキシコ
公開情報 劇場公開
初公開年月

20??/?/10

ジャンル アクション/ドラマ
  R18
誰もコントロールできない。

 

 

監督:スパイク・ジョーンズ

脚本:スパイク・ジョーンズ

撮影:エリオット・デイヴィス

編集:ダグラス・クライズ

音楽:クリフ・マルティネス

   スクリレックス

出演:窪塚洋介

   ディエゴ・ルナ

   ホアキン・フェニックス 

   ジェームズ・フランコ

 

 

映画『HER』でアカデミー脚本賞を受賞したスパイク・ジョーンズ最新作。日本、メキシコ、アメリカを代表する個性派俳優が揃った異色作。窪塚洋介は本作がハリウッドデビューとなる。全編に渡りヒップホップ、ロック、レゲエ、テクノといった楽曲が響き、最高にアッパーに仕上がっている。

日本のストリートを牛耳る星野(窪塚洋介)は、仲間をメキシコ産のドラッグで大量に失ったことからメキシコの麻薬カルテルに抗争を挑むことを決心し単身渡米する。道中に出会ったバイヤー(ジェームズ・フランコ)と組み、メキシコ国境へ向かう。メキシコでは麻薬カルテルの末端に属する(ディエゴ・ルナ)を脅し、仲間に無理矢理引き入れる。その頃、アメリカから1人の男(ホアキン・フェニックス)が追ってきていた。

 

妄想映画その3『寒い国から帰ったスパイ(The Spy Who Came in from the Cold)』

f:id:moso-cinema:20140515051734j:plainf:id:moso-cinema:20140515051739j:plainf:id:moso-cinema:20140515051749j:plain

f:id:moso-cinema:20140515051756j:plainf:id:moso-cinema:20140515051802j:plain


 

メディア 映画
上映時間 133分
製作国 アメリカ/イギリス/ドイツ
公開情報 劇場公開
初公開年月

20??/?/10

ジャンル スパイ/サスペンス/ドラマ
  R18
私の任務は成功するはずだった。

 

 

監督:マイケル・マクラレン 

脚本:ヴィンス・ギリガン

撮影:ロジャー・ディーキンス

編集:テルマ・スクーンメイカー

音楽:クリント・イーストウッド

出演:トム・ヒドルストン

   トーマス・クレッチマン

   デイン・デハーン 

   エド・ハリス

   クリストフ・ヴァルツ

 

 

ドラマ「ブレイキングバッド」で史上最高の賛辞を受けたスタッフが贈るスパイドラマ。監督、脚本は「ブレイキングバッド」のマイケル・マクラレンとヴィンス・ギリガンのコンビ。撮影には名カメラマンのロジャー・ディーキンス、編集はスコセッシ組のテルマ・スクーンメイカー、音楽は楽曲提供のみは2作目にあたるクリント・イーストウッドが担当する。

イギリス諜報部の連絡員の1人が“ベルリンの壁”のイギリスの検問所のすぐ近くで射殺された。おりしも、東ドイツの諜報機関の主任で、かつてのナチ党員ムント(トーマス・クレッチマン)の残忍な行動がますます激しくなっていたときだった。イギリス諜報部のベルリン主任リーマストム・ヒドルストン)はただちにロンドンに呼びもどされた。そこでリーマスはある目的のために、イギリス諜報部を馘になった野良犬になることを言い渡されるのだが…。ジョン・ル・カレ原作『寒い国から帰ったスパイ』は1965年に映画化され多くの映画賞を受賞している。本作は2度目の映画化である。

 

 

寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)

寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)

 

 

 

 

 

戦場のピアニスト 公開10周年記念 スペシャル・コレクション [Blu-ray]

戦場のピアニスト 公開10周年記念 スペシャル・コレクション [Blu-ray]

 

 

 

ブレイキング・バッド Season1 DVD-BOX

ブレイキング・バッド Season1 DVD-BOX

 

 

 

ブレイキング・バッド Season2 DVD-BOX

ブレイキング・バッド Season2 DVD-BOX

 

 

 

Breaking Bad-Complete Seasons 1-5 [DVD] [Import]

Breaking Bad-Complete Seasons 1-5 [DVD] [Import]

 

 

『アナと雪の女王』にみる映画館生き残りの鍵

 

 

特に意味もなく映画を妄想したいが為にブログを立ち上げましたが、果たして誰が読んでいるのでしょうか?

f:id:moso-cinema:20140514233816j:plain

 

さて、今回は早速番外編です。

 

最近、GWに行われた『アナと雪の女王』(みんなで歌おう歌詞付版)の映画館上映の批判記事や問題点を指摘する記事などをよく目にするようになりました。

「アナと雪の女王」上映中に歌ったら怒られた ディズニーの「みんなで歌おう」は本当に成功したのか? : J-CASTニュース

 

私としては、確かに国民性にはミスマッチな気もしますが、今後映画館が生き残る鍵はここにあると考えています。

※独立系のミニシアターの場合は別事情が多いで、この場合一般的なシネコンを想定しています。

 

その理由としては

★①3D映画は映画業界の救世主とならない?

★②ホームシアターの発展

★③体験型映画体験という可能性

 

★①3D映画への期待

2005年3月、ラスベガスで開催された映画関係者向け展示会ショーウェストにて、キャメロンはジョージ・ルーカスロバート・ゼメキスら著名監督と共に、観客の映画館離れ問題についてシンポジウムを行い、打開策としてデジタル3D映画の推進が打ち出されました。映画界を代表する面々はホームシアターとの差別化として、大画面であること、優れた音響設備であること、そして3D映画であることが打開策になると考えたのです。もちろん、3D映画だけになるという意味ではなく、映画館に人を呼ぶことができれば他の作品も相乗効果で観客が増えると予想したのです。

 その4年後の2009年、3D映画の幕開けとなるキラーコンテンツ、映画『アバター』は興行的に大成功をおさめました。そして、その後も似非3Dも含めた3D映画はヒットを飛ばしました。3D映画は鑑賞料金が上がるので、その分興行収入も上がり、歴代興行収入記録更新などという言葉がよく聞こえるようになってきました。もちろん2008年『ダークナイト』以降、IMAX規格(残念ながら、日本のIMAXは標準規格ではないですが…)での映画上映も全世界で増えたので、その分も上乗せされています。

 

f:id:moso-cinema:20140514201401p:plain

 

歴代20位の作品中3Dで公開された作品は11本で、IMAX上映も含めると14本になります。更に、上記の数字に含まれていない『タイタニック』『ジュラシックパーク』も近年3D上映されたので7〜8割は特別鑑賞料金の映画となります。ですので、興行収入は歴代記録更新とニュースになっていますが、この特別料金とグローバル展開(中国でのヒットなど)が要因として大きく関わっており、純粋に映画観客が取り戻せたのかというと、正直なところ分かりません。結局のところ、グローバル展開による新規開拓と料金増が興行収入増の要因であれば、3D映画が《映画館離れ》の問題解決にはなっていない気がします。

 

行き過ぎたハリウッド商業主義 スピルバーグ&ルーカスの“爆弾発言”で物議 (1/6ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

一方、ルーカス監督も「映画よりいまはケーブルテレビ(のドラマ)の方がはるかに冒険的だ」と話し、ハリウッドが極度の大作重視に傾いた結果、没個性に陥ったとの考えを強調。 続けて「これから映画館の数は激減し、生き残れるのは多くの魅力を持つ大規模な映画館だけになる」と明言するとともに「(爆発的に普及する)ホームシアターと差別化を図るためにも、映画ビジネスは高級路線を取らざるを得なくなり、映画鑑賞という行為が高級化する。映画のチケット代金は50ドル~100ドル(約4700円~約9500円)、あるいは150ドル(約1万4000円)に値上がりし、ニューヨークのブロードウェー・ミュージカルやアメリカン・フットボールの試合を楽しむような感じになるだろう。そして、ブロードウェー・ミュージカルと同じように、同じ映画が1年を通じて公開されるようになる

 

 加えて、3D映画ヒットがもたらした弊害を映画界の重鎮が問題視しています。

今や興行収入は世界的にヒットすれば以前より高額な収入が見込めると考えられており、スタジオ側はより莫大な制作費を投じて作品を製作するようになってきました。しかし、2013年にはスピルバーグとルーカスは昨今のハリウッド映画の現状を憂いており、ブロックバスター映画が増えすぎ、どれも同じような無難な作品になってきていることを問題視しています。高額予算のブロックバスター映画90年代の担い手である2人が発言していることは、自戒もこめているのかもしれません。

長くなりましたが、3D映画は観客離れの直接的な打開策になっているとは言い難く、更に映画界にとって一時的な特需はあれど、一部の超大作への偏りが進行しバブル崩壊がおき、継続的な映画界の救世主になるということは難しいようです。

 

 

★②ホームシアターの発展

ホームシアターの発展というと4Kテレビの普及や、大画面テレビの値下がりなどが挙げやすいですが、近年起こっている現象は他にあるように思います。

アップル社のitunesでの映画販売、レンタルを皮切りにホームエンターテイメントの主役がレンタルDVD、セルDVD等のパッケージ中心ではなく、インターネット配信が中心となりつつあります。

Googleyoutubeで映画の有料配信をいち早く始めており、

PCとAndroidスマホで楽しめる!YouTubeの有料映画配信サービスの魅力 日経トレンディネット

 

amazonも定額配信サービスを開始

アマゾンが映画の定額配信を日本で開始…ってマジですか? : ギズモード・ジャパン

 

先日、日テレが買収したhuluや

日テレがHuluを買う理由 Huluが日本事業を売る理由

 

日本未参入の好調サービスnetflix

Netflix、Q3実績でアナリスト予測を上回る。国内ユーザー130万人増、1株当たり利益0.52ドル | TechCrunch Japan

 

とプレイヤーが増えてきており、日本でもusenのu-nextやドコモのNOTTVなど参入が激化しています。観る方法自体は、xbox経由、タブレットスマートフォンのアプリ経由、スマートTV経由、appleTV経由と色々ありますが、どのサービスもネットに接続したデバイスやTVから簡単に返却忘れの心配なくすぐに観ることができます。現状、ドラマ作品などの充実もありyoutubeitunesの作品ごとの課金サービスよりも手軽な定額制サービスが普及しています。

とりわけ国土の広いアメリカ等では映画館まで車で2時間ということも珍しくなく家から出ることなく、すぐに観たい映画が観れるサービスは特にケーブルTV文化の国では受け入れられやすく、単に映画を大画面で観るというメリットだけでは、映画館から足が遠のいてしまいます。確かに、どうしても地域ごとにレンタル店や映画館の充実具合で映画体験に差が出てしまうので、映画体験の地域格差はなくなるというメリットは大きいです。

 

 

★③体験型映画体験という可能性

他の説明が長くなりましたが、『アナと雪の女王』の歌ってもいい(?)歌詞付き上映の話題に戻りたいと思います。映画館の醍醐味はもちろん大画面、大音響と答えて間違いないでしょう。しかし、それだけでは映画館に人の足が遠のいてしまうというのは前述した通りです。そこで、映画体験だけではない、映画館体験が鍵となると考えます。

最近では日本でも増えてきたマサラ上映というものがあります。インドでの映画鑑賞方法を参考に映画を上映する際に、映画に合わせて踊って歌って歓声を上げても構わない自由な上映システムのことを言うようです。この上映は限定的なイベント上映ではありますが、どの回も盛り上がっているようです。インドでは特別な上映でなくとも観客は大声で歌いだし、時には壇上に上がって踊りだします。(※インドに行って、この目で確かめました。)最近では、欧米のシステマティックなシネコンも普及していますので、減ってきてはいるという話ですが、街中の映画館では今も当たり前に行われています。聞く話に寄ると、観客がバカ受けしたギャグには映写技師がフィルムを巻き戻し、もう一度上映するという謎のDJのような映写技師のスクラッチプレイにも運が良ければ立ち会えるそうです。これが本当に楽しいのです。映画の種類にも依りますが、この映画体験は本当に楽しく、みんなで楽しんでいる、他者と楽しさを共有しているという感覚が堪らなく、インドで映画館を救う映画館体験とはこういうことだと身をもって体験しました。

現代の映画館というのは、他者の存在に気づきません。かつては、日本でもスクリーンに向かってかけ声をかける風景が見られましたが、今も横の人が泣いている…くらいは気づくかもしれませんが、基本的に現代の座席指定タイプのシネコンでは礼儀よく、大人しく、観ることが前提となっています。コメディ映画を観に行っても笑い声さえあまり聞こえません。しかし、時々イベントでの上映や熱狂的なファンがいる上映などでは大声の笑い声が響き渡り、その一体感は作品の思い出と共に非常に濃い映画館体験となるのです。六本木で『ハングオーバー』を初日に観た時は観客に外国の方が多く、ずっと爆笑が聞こえ、本当に楽しかった覚えがあります。最近では、オーディトリウム渋谷が史上最高に揺れたとの噂も聞こえる『テレクラキャノンボール2013劇場版』の上映があります。

 

 

 

 これだけの映画体験をしてしまうと、とにかく忘れ得ぬ置換できない体験となり、病み付きとなっているのが伝わってきます。

 

ここまでの熱狂でなくとも、映画館に通っていると通常上映で時折、上映後に《拍手》という現象が起きる場合があります。最初にこの現象が聞こえてきたのは『THIS IS IT』のような気がします。もちろんソーシャルメディアのおかげで可視可し、全国的に広がっただけで昔から続いているとは思います。マイケル・ジャクソンの死というファンにとって受け入れ難い出来事が起こり、ある意味、弔い上映のようになり、上映後の拍手は様々な土地で報告されたようです。この拍手は恐らくマイケル・ジャクソンありがとう!のメッセージの色合いが非常に強いと思いますが、この頃から良い映画の上映後に拍手が起こったというのを目にします。当時、拍手という現象はやはり体験した人は非常に印象的だったようで当時のブログやツイッター等で報告されています。

「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」は上映後に拍手が起こる、という噂は本当か? | プチ鹿島ブログ「俺のバカ」

 

『THIS IS IT』・・・映画館における拍手とは。 | Incidents(偶景)

 

映画祭や監督がいる上映では、拍手が上映後に起こることは少なくありません。それは本人や作り手に対するメッセージです。『This is it』の拍手はマイケルに対するメッセージです。拍手というのは、静かに映画館で観ていた人達が存在感を出し、他者を意識させるのです。その瞬間に、映画作品を観たという映画体験は知らない人達と映画を感動を共有したという映画館体験に変わるのです

その他にも、他者がいることによって体験できる様々な映画館体験があります。

それは、必ずしも良いものばかりではありません。マナー悪い客にイライラしたということや、笑いのツボが合わないから不快だったなどというものもあるかもしれません。しかし、特権的なものではなく、他者排除をしない世界との繋がりこそが映画の機能のひとつであると思います。それらの弊害がその人を映画館から足を遠ざける要因だとしたら1人で観るのが適しているのかもしれません。 しかし、幸福な映画館体験を体験し、病み付きになってしまった人達は、必ず今後もハズレの回があっても、映画館に足を運んでくれると考えます。

 

遠回りをしましたが、『アナと雪の女王』の歌詞付き上映は幸福な映画体験を小さい頃に経験することのできる非常に意義深い上映だと考えます。

もちろん、今回の上映はアナウンスが行き届いていなかったり、ナビゲートがうまくできていなかったり、全国規模で拡大しすぎたという問題はあったかもしれませんが、このような上映が定期的に行われることで、普段の上映にも拍手が起こったり、笑い声が聞こえてきたりと、映画館体験が日常的になってくると映画館離れに歯止めを多少かけることができるのではないかと思います。

 

 

 

 

 

妄想映画その2『クリミナル プープ 完善犯罪(criminal poop)』

f:id:moso-cinema:20140514175901j:plainf:id:moso-cinema:20140514175905j:plain 

f:id:moso-cinema:20140514175850j:plainf:id:moso-cinema:20140514175855j:plainf:id:moso-cinema:20140514180313j:plainf:id:moso-cinema:20140514180711j:plain

 

 

メディア 映画
上映時間 114分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開
初公開年月

201X/8/10

ジャンル アクション/コメディ
  PG12
赤信号、5人揃えば怖くない。

 

 

監督:ブラッド・バード  

製作: セス・ローゲン

    ジェームズ・フランコ

    エヴァン・ゴールドバーグ

脚本:パトリック・オニール

撮影:スチュアート・ドライバーグ

編集:ポール・ハーシュ

音楽:マイケル・ジアッキーノ

出演:ジェームズ・フランコ

   ポール・ダノ   

   アナ・ケンドリック

        ジョナ・ヒル

   クリストファー・ミンツ=プラッセ

        ウッディ・ハレルソン

 

 

 

「ミッション インポッシブル ゴーストプロトコル」で華々しい実写映画デビューを果たしたブラッド・バード監督が、アメリカンコメディの巨大勢力ベン・スティラー率いるフラットパックに次ぐ第二勢力のジャド・アパトーギャング一派のセス・ローゲンと組み製作された作品。本作にはセス・ローゲンの友人でもあるジェームズ・フランコが主演を果たしている。マリファナ中毒の主人公キング(ジェームズ・フランコ)は、偶然ポール・ダノ演じる天才発明家と出会うことで、大掛かりな犯罪を思いつくようになる。とりあえず仲間集めを始めるが、とにかくお金が欲しいドジな女の子(アナ・ケンドリック)、面倒くさがりのビビり屋(ジョナ・ヒル)、後先考えず行動する男(クリストファー・ミンツ=プラッセ)しか集められない。しかし、キングは当日、無理矢理計画を決行するのだが…。

 

 

 

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル ブルーレイ+DVDセット(デジタル・コピー付) [Blu-ray]

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル ブルーレイ+DVDセット(デジタル・コピー付) [Blu-ray]

 

 

 

妄想映画その1『時をかける小悪魔』

f:id:moso-cinema:20140508015943j:plainf:id:moso-cinema:20140508015939j:plain

メディア 映画
上映時間 96分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開
初公開年月 201X/11/09
ジャンル SF/コメディ
映倫 G
5年流行先取りは、逆にダサい?

 

監督:ロバート・ゼメキス  

製作:スティーブン・スピルバーグ  

原案:スティーブン・スピルバーグ  

脚本:エリック・ロス  

撮影:ドン・バージェス  

編集:ジェレマイア・オドレスコフ  

音楽:アラン・シルヴェストリ

出演:ジョセフ・ゴードン・レヴィット

   アデル・エグザルコプロス

   オーウェン・ウィルソン

   トム・ウィルキンソン    

 

 

 

「バックトゥザフューチャー」シリーズのロバート・ゼメキス監督が、街で愛され者の主人公が5年後の未来から来たという無邪気なフランス人の女の子と出会うことで次第に奇妙な人物になっていくSFコメディ。街で愛される若者を演じるのは、「(500)日のサマー」のジョセフ・ゴードン・レヴィット、未来から来た仏人女性をパルムドール女優のアデル・エグザルコプロスが演じる。また、未来から追いかけてくる謎の人物をオーウェン・ウィルソントム・ウィルキンソンが演じる。

 

 

バック・トゥ・ザ・フューチャー ベストバリューDVDセット

バック・トゥ・ザ・フューチャー ベストバリューDVDセット