妄想映画プロダクション

妄想した映画を書いていこうと思っています。

傑作の予感!イニャリトゥ監督『BIRD MAN』


Birdman: Trailer #1 - YouTube

 

 

予告と予備情報だけで傑作の予感がする映画がたまにあります。

この映画『BIRD MAN』もそうです。

期待しすぎてしまうのはよくないと思いながらも

期待で飯が何杯も食えるので、結局楽しんでしまいます。

『マンオブスティール』のようにがっかりしなければいいのですが。

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監督は『アモーレス・ペロス』『バベル』等のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督。脚本のギジェルモ・アリアガの影響も大きいと思うのですが、『バベル』までは複数のストーリーが絡む時間軸の交錯する話が多かったのですが、『BIUTIFUL』は少し作品のテイストが変わり非常に良い作品になっていました。『アモーレス・ペロス』はガエル・ガルシア・ベルナルの魅力と、ハイテンションなメキシコ音楽でタランティーノのパクリとは言わせない勢いと面白さがあったのですが、『バベル』はアカデミー賞に絡んだものの、複数の話を終盤、回収しきれず坂本龍一の曲で誤摩化してラストを感動的にしたのは否めなかったです。(何度見ても、狙撃の角度と撃たれた角度が合わない気がするのですが…)とにかく、前作から新境地のイニャリトゥ監督の新作です。

 

マイケル・キートン演じる俳優が、かつて有名すぎるスーパーヒーロー「バードマン」を演じ、そのイメージがつきまとったせいでキャリアで俳優として伸び悩み、悪夢として現実にもいないはずのバードマンがつきまとい苦悩し、ひょんなことからブロードウェイに出演することになり、家族を巻き込むドタバタ喜劇が始まる。という感じのストーリーらしいです。

 

おー

 

なんか…

 

面白そう〜

 

でも、ビジュアルがな〜

 

という感想を持つ人は多いかと思います。

 

私もナイトオウル?!

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いやいやファントムオブパラダイス?!

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を思い出してしまいました。

 

傑作の予感理由は実人生とのリンク

まず、主演を聞いた時点で多くの人はお気づきの通り…マイケル・キートン!?あのティム・バートンバットマン俳優の?!と気づくはずです。ノーラン版が浸透したので、クリスチャン・ベールの方が馴染みあるかもしれませんが、ティム・バートン版のバットマンはこの映画の主演と同じマイケル・キートンが演じていました。最近では『ロボコップ』などにも出演していましたが、ここ最近代表作と言えるような作品はあまりありません。なんやかんやで仕事はあるようなので本人はどう思っているかは分かりませんが、マイケル・キートンその人自身がバットマン俳優のイメージに苦しんでいるように思えます。まさにこの映画の主人公がバードマンのイメージをに苦しんでいるの同じで。

最近、このような実人生とダブり非常に感動してしまう作品がありました。ダーレン・アロノフスキー監督の『レスラー』です。ミッキー・ロークの俳優人生とこの映画のレスラー人生が被り、そして主演男優として賞レースにも絡むという成功が感動を更に増しました。もちろん映画は映画単体で評価すべきだと言う声もあります。しかし、映画は映画史的な文脈、実人生、制作背景などドキュメンタリックな部分はどうしても外せません。数十年前からヌーヴェルヴァーグはじめ映画作家は映画史的文脈などを意識した上で作品制作をしています。最近では、実人生とリンクさせる意地悪な作品は『ブラックスワン』『その男、ヴァンダム』などあります。今作も明らかにそういったオフスクリーンの背景を知った上で観ないと、完成しない作品となっていると予想します。

 

まあ、あとは個人的にヒーローものが好きなので、ヒーローを批評的に描いている作品『ウォッチメン』、『スーパー!』『キックアス』とは違い、映画の役としてのヒーローというのにも新しさがあり惹かれます。『ギャラクシークエスト』的な魅力というか。

 

とにかく、こういった作品にしてはアクションが思ったより派手ですし

エマ・ストーンが良さげだし、ハルク俳優エドワード・ノートンとの対決?も楽しみです。